TシャツくんでおなじみのHANDOさんのDIYシルクスクリーンプリントキットを使って簡易プリントが楽しめます。
当店店舗でもインクやスクリーン枠など一部販売していますので、インクがなくなった時にもお急ぎ購入でご利用いただけます!
https://artshirts-factory.com/t-item-category02/tshirts_diy_print
お家でオリジナルTシャツが作れる「Tシャツくん」、ワクワクしますよね! シルクスクリーンの原理は、一言で言うと「穴の空いた版画」です。
プロの現場だと大掛かりな装置が必要ですが、「Tシャツくん」などの簡易キットで自宅サイズに落とし込んで使いやすくなっています。その仕組みをわかりやすく解説しますね。
1. シルクスクリーンの基本原理:メッシュと目詰まり
目次
シルクスクリーンは、細かな網目(メッシュ)が張られた枠を使います。
- インクを通す場所: 網目がそのままのもの。
- インクを通さない場所: 網目を「乳剤(にゅうざい)」という膜で塞いだもの。
この「塞ぐ・塞がない」の境界線を作ることで、狙ったデザインだけをプリントします。
2. 「版」ができる仕組み(露光の魔法)
「Tシャツくん」の最大の特徴は、この版作りを専用キットと専用露光機で完結させる点にあります。
- 原稿の作成: 真っ黒なインクでデザインを描きます(光を遮るため)。
- 露光(プリント): 専用のスクリーン(あらかじめ乳剤が塗ってある網)に原稿を重ね、強い光を当てます。
- 化学反応: * 光が当たった部分: 乳剤がカチカチに固まって、水に溶けなくなります。
- 光が当たらなかった部分(デザインの黒いところ): 乳剤が固まらず、生のまま残ります。
- 水洗い: 水で流すと、固まらなかった部分だけが溶けて穴が空きます。 これで「版」の完成です!
3.スクリーン版を用意する
Tシャツくんシルクスクリーン版の作り方は別の機会にレポートします

今回はスモールフレームを使ってスマイルのデザインを版にしました。
プリント位置を決めてフレームをセットします。手で押さえてハンドプリントします!

インクを混ぜて事前に攪拌しました

スクリーンの上にインクをのせていきます。今回使用のインクはラバー感のあるリッチシリーズを使いました。インクのカラーも沢山あるのと、黒などの濃色生地でも透けない隠蔽性があります。
3. プリントの仕組み:スキージーの役割
版ができたら、あとは簡単です。
- Tシャツの上に版を置き、インクをのせます。
- スキージーというヘラを使い、適度な圧力をかけながらインクを引きます。
- すると、先ほど水洗いで穴が空いた部分からだけインクが押し出され、生地に定着します。
刷っている写真撮り損ねました。

次のデザイン版をセットします

こちらも同様の手順で進めます

緑のインクの上にレッドのインクをプリントしました!重なりの部分の緑が透けずに赤がくっきりプリントされています。リッチインクの隠蔽性素晴らしいです。ただしリッチインクは版の上で乾きやすいのが難点です💦
Hando Tシャツくん簡易キットが「画期的」な理由
本来、プロのシルクスクリーンは「暗室でドロドロの乳剤を塗って、大きな乾燥機で乾かして…」という非常に手間のかかる作業が必要です。
「Tシャツくん」などの簡易キットは、「あらかじめ乳剤が均一にコーティングされたシート」と「専用の露光ライト」をセットにすることで、このハードルを劇的に下げたのがすごいところなんです。
ちょっとしたコツ: 原稿の黒い部分は「これでもか!」というくらい真っ黒(光を通さない状態)にするのが、エッジの効いた綺麗なプリント版を作る最大の秘訣ですよ。
みんなで出張シルクスクリーンワークショップもできます
趣味のチームやコミュニティでお揃いのオリジナルデザインTシャツを自分でプリントしてつくりました!みんなでワイワイしながら作ってとても楽しいです。




トートバックにもシルクスクリーンなら手軽にプリントできます
前回の「Tシャツくん」のような感光式(光で固めるタイプ)とは打って変わって、サーマルスクリーン(デジタル製版)は、いわば「ハイテクな焼きごて」で版を作る仕組みです。
最近ではリソグラフで有名なRISOの「Goccopro(ゴッコプロ)」などがこの方式を採用しており、シルクスクリーンの常識を覆すほどのスピード感があります。自社工場では耐久性のある業務用メッシュと乳剤シルクスクリーン版で印刷していますが、簡易プリントではデジタル製版もありです。

ランチトートバックにスモールフレーム+デジタル製版のメッシュを張りました。今後製版メッシュフィルム販売もできるようにします。

バッグの内側に下敷きを入れて印刷面がフラットになるように工夫しています。インクをのせて手早く刷っていきます。

インクを均等な圧力で滑らせていくのがちょっとコツが必要ですが、何度かチャレンジで体得できます!

この時点で綺麗に擦れているか心配になりますね。

綺麗にインクがメッシュから落ちてちゃんと狙った通り刷れています!

メッシュがデザイン柄に抜けていて、インクが通ったところと通っていないところが分かり易い!

1. サーマルスクリーンの原理:熱で穴を開ける
サーマルスクリーンの版は、特殊な2層構造になっています。
- ベース: インクを通すための細かいメッシュ(ポリエステルなど)。
- 表面: 熱に反応して溶けやすい特殊な薄いフィルム(樹脂膜)。
製版のプロセス
- デジタルデータ送信: パソコンなどのデザインデータを製版機に送ります。
- 熱による穿孔(せんこう): 本体の「サーマルヘッド(熱を出す細かな素子)」が、デザインに合わせてピンポイントで発熱します。
- フィルムの溶解: 熱が当たった部分のフィルムだけが瞬時に溶け、下のメッシュが露出します。
- 完成: これだけで、インクが通る「穴」が開いた版ができあがります。
2. 特徴:感光式(Tシャツくん等)との違い
デジタル製版には、従来のやり方を知っている人ほど驚くようなメリットがあります。
① 「水」も「暗室」も「薬品」も不要
感光式は「光に当てて、水で洗って、乾かす」という工程が必須でしたが、サーマル式は完全ドライ工程です。
- 洗い出しの流し台がいりません。
- 廃液が出ないので環境に優しく、オフィスや自宅の机の上でも作業できます。
② 爆速の製版スピード
感光式だと準備から乾燥まで数十分〜1時間以上かかりますが、サーマル式はデザインデータを送信で版が完成します。思い立ったらすぐプリントできるのが最大の強みです。
③ デジタルならではの高精度
写真のような細かい網点(ドット)や、細い線もデジタル制御で正確に再現できます。ポジフィルムを作る手間もないため、データとのズレがほとんどありません。
3. 注意点(デメリット)
良いことばかりに見えますが、いくつか検討すべきポイントもあります。
- ランニングコスト: 専用のサーマルスクリーン(マスター)は、感光式のスクリーンよりも単価が高い傾向にあります。
- 版の耐久性: 非常に薄いフィルムを熱で溶かしているため、何千枚も刷るような大量生産では、伝統的な乳剤版(感光式)に耐久性で一歩譲る場合があります。
- 初期投資: 専用のデジタル製版機が必要になるため、趣味で始めるには少しハードルが高い(機材が数十万円〜)のが現状です。
まとめ:どっちが向いている?
- 感光式(Tシャツくんなど): 初期費用を抑えたい、アナログな工程を楽しみたい、版を長く保存して何度も追加プリントしたい場合。
- サーマル式(デジタル製版): 汚れ仕事を極限まで減らしたい、多品種を短時間で仕上げたい、デザインをデータから直感的に出力したい場合。
最近では、このデジタル製版を体験させてくれるプリントスタジオも増えていますよ。
当店も店舗サービスで用意できるように準備中です!こうご期待を
